先代京都桃玄の名に恥じない作品をと、一切の妥協を許さず工程ごとの入念な業と、
総て手作業で製作する、京都産(生地は京都で生産・製造)京ものの証。
ひな人形は頭師、髪付師、手足師、小道具師、着付司(京都桃玄)により
それぞれ専門の伝統工芸職人達の熟練した技の数々です。
桃玄の雛人形は趣きを生かし、表情豊かに仕上げています。
▼人形の耐久性や防湿・防虫を考え
……本桐木製胴体
本桐胴に頭(かしら)を挿し込む為の穴に、
藺草(いぐさ)を束ね入れ胴の高さに合わせ切り揃え、
上から和紙を貼りくるむ首の部分に白布で衿をまきます。
“桃玄”の人形への思いがここにも見られます。地域によっては女の子が
生まれると「桐」を植え、お嫁に行く時にはその「桐」で箪笥を作り嫁入り
道具にするという風習がありました。そんな親の気持ちを“桃玄”は人形
一体一体桐の胴に思いを込めてお届けしています。
殿(左端)は番線(針金)を通し、足を成形し和紙で覆います。
姫(右端)の膝は木毛をつめ、和紙を覆い成形します。
▼完成時にはほとんど隠れる部分ですが
殿(左側上・下):足袋をはかせた足を番線につけ袴をはかせ、
当時の“みやこびと”の正式な座り方に仕上げます。
姫(右側上・下):袴をはかせ正座に仕上げます。
▼衣裳により気を配っています
殿:衣裳は全て束帯仕立。京都西陣正絹唐織、黄櫨染之袍。 姫:衣裳は特上仕立本式十二単・表衣は一枚もの本着せです。
殿・姫とも背縫いで仕立ています。 殿:特上仕立本釈迦紐結び
▼オーダーメイドに拘ります
衣裳は京都西陣唐織・金襴が中心ですが、
大切な思い出のある帯地や生地(反物)などでも、
あなただけの逸品をお仕立てが可能です。
色・柄の配置(デザイン)も思いのままご指定承ります。
お気軽にご相談下さい。
※詳細は作品集サイトでご確認ください。
▼有職故実の由縁が、ここです。
殿(左・上):袍の腰を締めて、帯は有職に倣い革と金物、
貴石などを使って本格的な細工をほどこした「石帯」を使用。
姫(右):背板、引腰、裳袴は姫の裾一番上にきせつける。
京ものならではの仕様です。
足袋をはかせた足(左・中ほど)手は桐材を用い、
胡粉を数十回塗り重ね、指の部分は針金で曲線の美しさを表現、
最後に爪をピンク色に整え完成。
▼雅やかさを再現する仕立て
特上仕立本着せ付けならではの風合いを醸し出しています。
小腰も本当に結んでます(本結び)。
▼肩から肘の繊細緻密な曲線美/腕(かいな)折り
肩から肘の流れ、腕(かいな)の折り方、
手を付けて手の甲まで整え頭(かしら)を挿して完了ですが、
桃玄ならではの最後に必ず行う確認作業があります。
それは一度人形を下からみます。
姫に、扇を持たせ手の高さバランス等を見ます。
飾りつけの際、扇でお顔が隠れてしまう事もあるからです。
▼完成品
全てのお人形に桃玄の製作の“証”として“まねき”をお付けしております。